ブログ「噴火史情報学入門」第5回

単成火山と複成火山

 火山は,繰り返して噴火する複成火山(polygenetic volcano)と1回の噴火で形成される単成火山(monogeneticvolcano)がある.火山ができる場所は,おおよそ決まっており,同じところから繰り返して噴火する.すなわち,複成火山ではマグマ(magma)が上昇してくる火道とその出口である火口(vent)が決まっている.現在活動中の阿蘇中岳や桜島南岳がこの例である.一方,単成火山は,1回だけの噴火でできるものであり,マール(maar),タフリング(tuffring),スコリア丘(scoria cone),溶岩ドーム(lavadome)などがある.単成火山では,火道は決まっておらず,噴火のたびにマグマが割れ目をつくって上ってくる.日本の単成火山群としては,五島福江,阿武,東伊豆などがある.

(奥野充)

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