ブログ「噴火史情報学入門」第8回

山頂噴火と山腹噴火

成層火山は,噴出物が火口周辺に積み上がって成長するため,山頂に火口がある.これが山頂噴火(summite ruption)であり,繰り返し同じ火口から噴火する.火山体の成長に伴って火口の位置が高くなる.一方,山腹噴火(flank eruption)は,山腹に割れ目をつくって噴火するもので,同じ火口から繰り返し噴火しない.桜島で歴史時代にあった4回の大噴火(天平宝字,文明,安永,大正)は,どれも山腹噴火である.現在は,昭和火口で盛んにブルカノ式噴火(Vulcanian eruption)を繰り返して新たな火砕丘を形成中であるが,より規模の大きな噴火では,火道を通ってマグマをわざわざ高い山頂火口まで上げるより,山腹に割れ目をつくって出た方が簡単なようですね.山腹の割れ目噴火は,同じ場所で繰り返しおこらず,ここだけをみると単成火山である.

(奥野 充)

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